絆の記憶~愛するものの為に~

それはある日の昼下がり……
「いらっしゃいませ」
初老の男性が出迎える。
「え~っと…その……」
キョロキョロと周囲の目を気にしながら、その店に入ってくる挙動不審の青年が1人。アズマである。
金や銀の細工が棚に陳列されたちょっと高級感漂うアクセサリーショップ。
店内に男性は店主以外は彼1人。
「本日はどのようなご用件でしょうか?」
初老の店主が声を掛ける。
若い女性店員がいるにも関わらず店主自ら接客に来たという事は、アズマの挙動不審な行動からこういう所に来るのが初めてだと感付いた店主の計らいであろう。
「実は…その……指輪を探してるんだが……」
頬を赤く染めながら店主にだけ聞こえるように用件を言う。
改まってこういう場で買い物をするのは何か気恥ずかしい。
「かしこまりました」
店主はその態度だけで全てを悟ったかのように頷き、奥から指輪の収まったケースをいくつか持ってきてアズマの前まで持ってくる。
ズラリと並べられた指輪はその一つ一つが全く異なるデザインをしていた。
「どなたかへの贈り物ですかな?」
「ええ……もうすぐ彼女と出会って1年経つものだから……」
照れながらそう答える。

12月25日。フォーナ祭。
2人が付き合う切欠となった特別な日を間も無く迎える……。


買い物風景


この記事へのコメント

アズマの背後
2005年11月11日 23:40
イラストが完成したので、それに合わせたちょっとした物語を。
ピンはストーリーが一目瞭然だから書きやすいね。